頭が下がりました。でも、農と地域の未来は果てしなく明るい!

head down

一気に読んでしまった。

といっても決して読み飛ばしたわけではなく、

著者の思いと経験を綴った謙虚な文章を追うごとに、自らの反省と内省を繰り返しつつ、幼少期の記憶、未来への思い、忘れていた感覚、奮い立つ魂、等々・・・もう、意識がぐるんぐるんしながら、でもハートがほっこり灯されて温かい気持ちを維持しながら、そして著者の小島希世子さんには頭が下がりっぱなしのまま、一気に読んでしまった。

彼女の思いと行動と言葉の一致が心地よく、またその文章が純粋で透明であるがゆえに、言葉を追うごとに自らの思いや記憶があぶり出され、積極的な反省をうながされ、思いを新たに、勇気が湧き上がり、未来が輝いて見えてくる・・・凄いですよ、この本の力。

いま、社会の行方に不安や不信感を募らせ、このままではマズい、なんとか自立して、未来へ向かって歩きはじめなければ、と焦りを感じている人々は増えているのではないでしょうか。あるいはすでに歩きはじめたものの、様々な問題につまづいて立ち往生している人、あるいはすっかり気力を失って座り込んでしまっている人・・・そんな人々(自分も含めてますが 汗)にとにかく読んで欲しい一冊です。

タイトルからも連想されるように、この本にはいわゆるホームレスの人々(ニートや生活保護受給者も)に農体験を奨励し、心身ともにスキルアップを促すことで社会性を回復させ、後継者不足で伸び悩む農村への就農を橋渡ししていく活動の記録が主軸に描かれています。そして次々と立ち塞がる困難とまっすぐに向き合っていく著者の素直で真摯な眼差しを通して、今日の社会問題の深層が、実は自分にも根を張っていること、それゆえ、自分自身と向き合っていくことが社会問題解決の糸口であることが、決して机上論ではなく、直観的な理解として気づかされます(というか、ボクは自分自身がここで語られているニートと同じではないか、と改めて気づきました 苦笑)。

ここで重要なのは自分と向き合うことの有効なツールとして農作業が語られていること。ボク自身もそうですが、このことに共感できる人が近年確実に増えつつあることはとても心強いです。とくに3.11を機にエネルギー問題への反省から自然回帰の流れが起こり、都心部から地方農村への移住者も増え(ボクもそのひとり)、いわゆるプロフェッショナルな農家でなくとも、農的な生活と繋がりはじめる人々が増えはじめているのは紛れもない事実。そしてその多くが食に対する高い意識をもって、無農薬・無肥料の作物づくりに励んでいる・・・あるいは、まだ実現していなくとも都会よりも地方へと、その憧憬を募らせている若者が増えはじめている・・・

このような背景を鑑みても、この著書で簡潔にまとめられているプロジェクト構想が、現代社会の暗雲に輝ける宝石として、関わる人々の心を照らし出すであろうことは間違いありません。できるだけ多くの闘う魂に彼女の本を読んで頂き、その愛ある共感を通して、これまでそれぞれの地で個別に動いていた人々の活動に強い連帯が生まれたら、と切に願います。

彼女が熊本出身であることも嬉しい♪

熊本で農的な生活をすでに始めている皆さんにも、ぜひ!!
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